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音声、文字などによる表現や理解の障害【失語症・高次脳機能障害】“Aphasia & Higher Brain Dysfunction”【はなす】【き く】

音声、文字などによる表現や理解の障害【失語症・高次脳機能障害】“Aphasia & Higher Brain Dysfunction”【はなす】【き く】

障害の概要

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「話すこと」だけじゃなく、「聴く」、「読む」、「書く」に関する脳の障害。

わたしたちは、日々、見たり聞いたり話したり、いろいろな情報を処理しています。また、その情報を記憶し、それをもとに思考したり、計画を立てて実行したりしています。これらの機能は高次脳機能とよばれ、大脳の働きが深く関わっています。言語機能も高次脳機能の一つですが、大脳の「言語野」とよばれる部分が脳卒中や交通事故などで損傷されると「失語症」になります。「えーっと、ほら、誰だっけ?今、ドラマで人気の…」みなさんも頭の中に言いたいことがあるのにことばが出てこなくて伝えられないもどかしさを経験したことがありませんか。こういう状態を『喚語困難』と言いますが、失語症ではこれが会話の中で頻繁に起こります。また「りんご」を「みかん」と言ってしまったり、「めがね」を「メガデ」と言い誤ったりします。失語症は外国に行った時の様子によく例えられますが、話したいことがあるのにことばが出てこない、誰かが話しかけてくれても意味がわからない、文字がわからないので書いてあることもわからないし、書いて伝えることもできない―。このように、話す、聴く(聴いて理解する)、読む(読んで理解する)、書くということばを使って行うこと全てが難しくなるのが失語症です。重症度も幅広く、重度の失語症の場合、周囲から“何もわからなくなってしまった人”と誤解される場合がありますが、知的な側面も感情も保たれており、状況理解ができることが多いものです。

  • 1 喚語困難 言いたいことばが出てこない
  • 2 語性錯語 「眼鏡」を「時計」などと言い誤る
  • 3 聴覚的理解障害 聴いて理解することが難しい
  • 4 音韻性錯語 「メガネ」を「メガデ」などと言い誤る

02  例えば?

例えば、こんなこと/こんな時ありませんか?

  • イラスト01

    うまくことばが出てこない、話の内容が理解できない。

  • イラスト02

    「うどん」を「そば」と言ったり、「テレビ」を「テレべ」と言ったり、言い間違うことがある。

  • イラスト03

    ことばを言いにくそうにしているので書いてもらおうとしたが、文字もうまく出てこない。

03  検査や治療について

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検査や治療は、患者様の日常をよく知ることから始まります。

失語症では、まず、詳しいことばの検査で『話す』『聴く(聴いて理解する)』『読む(読んで理解する)』『書く』のそれぞれの能力がどのような状態であるかを調べます。そして、その結果を基に、障害のメカニズムを考え、訓練の内容を決めます。訓練では、低下した言語機能を向上させることも大切ですが、保たれている力を使って、その方がどうすればコミュニケーションがとりやすいかを考え実践することも大切です。ことばは、生活と共にあります。患者様が日常生活をどのように送っておられるかも訓練の目標や内容を決める際に重要です。言語症状だけではなく、患者様をよく知ること、これがスタートです。

04  予防について

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生活習慣の見直しで、脳の血管を健康に保ちましょう。

「高次脳機能障害」の原因疾患は、脳卒中などの脳血管疾患が81.6%を占めます(平成20年度東京都高次脳機能障害者実態調査)。脳卒中は、脳の血管が詰まったり、破れたりすることで起こります。予防は、脳の血管を健康に保っておくことが最も大切です。脳の血管に悪影響を及ぼすのは、動脈硬化、高血圧、高脂血症、糖尿病などです。これらがあると、血管は弾力を失い、硬くもろくなって破れやすくなったり、詰まりやすくなったりします。塩分と動物性脂肪を控えた食事をする、糖分を摂りすぎない、たばこをやめる、適度な運動をする、ストレスをためないなど生活習慣を見直し、予防に努めましょう。

05  未来の話

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こんな未来も始まっています。

ことばの障害は、外から見てもわからず理解しづらいものです。また、人とのコミュニケーションがうまくできないことで、疎外感、孤立感が生まれやすくなります。失語症では、『話す』『聴く(聴いて理解する)』『読む(読んで理解する)』『書く』のすべてに難しさがあるため、例えば、『話す代わりに書いて伝える』という手段も万全ではありません。その分、円滑なコミュニケーションをしづらくなるのですが、ちょっとした工夫やコツを知ることで、お互いに意思疎通しやすくなります。そうしたコツを一般の方に知ってもらい、失語症の方との会話や社会参加のお手伝いをしてもらおうと「失語症会話パートナー養成講座」という活動が2000年から行われています。家族や言語聴覚士だけでなく、社会の人々全体がそのような方法を知ってゆく。素晴らしいことですね。

06  さいごに

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周囲の方へ。

ことばは人と人をつなぐ大切なツールです。今まで自由に使っていたことばがうまく使えなくなった時のもどかしさや喪失感は大きなものでしょう。失語症の方と接する時は、私たちがコミュニケーションを工夫することで、意思疎通しやすくなる可能性もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 短く簡潔に話しかけてください。
  • 失語症の方はことばが出てくるまで時間がかかります。少し待ってください。
  • 言いたいことばと異なることばが出てしまうこと(錯語)があります。肝心なことがらは、文字に書いて見てもらい、確認しましょう。
  • 伝えたいことを漢字の単語で書いて、それを見せながら話してください。多くの場合、仮名より漢字の方が理解しやすいです。

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もしかしたらと思ったら...

失語症の原因となる脳卒中は突然起こることが多いですが、事前に兆候がある場合もあります。左右どちらかの手足、あるいは顔の片側の急な麻痺・しびれ、吐き気を伴う突然の強い頭痛、ろれつが回らない、ものが二重に見える、視野が半分欠ける、会話がかみ合わない、ことばが出てこない、呼びかけても右側あるいは左側ばかり見るなどの症状が急に現れた時は、すぐに脳神経外科や神経内科で診察を受けましょう。自覚症状が一時的なものであっても、深刻な脳梗塞の前触れであることがあります。また、脳梗塞では、血管につまった血の塊を溶かす治療ができることがありますが、発症後4時間半までに治療を開始できなければいけません。症状が現れた場合は、迷わず早く受診しましょう。

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