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【OHSUの講師紹介】Introducing Teachers

言語聴覚士 / 教育学士 / 専任教員 / 言語聴覚専攻科主任【大西 環】Tamaki Onishi

[学位]
教育学士
[専門分野]
失語症学
[研究活動]
言語聴覚士の養成教育と卒後教育
[活動内容]
日本言語聴覚士協会審議員
日本言語聴覚士協会生涯学習部員
日本言語聴覚士協会教育部員
日本言語聴覚士協会全国研修会実行委員長
大阪府言語聴覚士会学術部生涯学習担当
リハビリテーション教育評価機構評価認定委員会評価員
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士養成施設等教員講習会運営委員
[所属学会]
日本言語聴覚士協会/日本高次脳機能障害学会/日本音声言語医学会
[授業担当科目]
失語症Ⅰ(基礎)/ 言語聴覚障害学概論

[これまでの活動]

三重県身体障害者総合福祉センター、藍野病院、信愛会新生病院で言語聴覚の臨床に携わった後、大阪リハビリテーション専門学校言語聴覚学科専任教員を経て現在に至る。

私の教えていること

「失語症」の授業と「対話会」を通して、臨床に必要な姿勢やコミュニケーション能力について考えていきます。

「失語症Ⅰ(基礎)」では、失語症とは何か、その定義や専門用語、症状を診る際の視点などを講義しています。できるだけ臨床で出会った患者さんの実例を話すようにし、言語聴覚士の臨床で求められる姿勢や、内容についても触れるようにしています。
「リハビリテーション概論」では座学ではなく、実際の患者さんにご来校いただいて、学生たちが直接、言語聴覚障害の方やご家族とコミュニケーションを図ります(通称「対話会」と呼んでいます)。
患者さんと直接触れ合い、現在の生活の様子や発症時の様子や気持ち、これまでのリハビリテーションのことを聞き、学生が患者さんご自身のことや、言語聴覚士の職務、必要なコミュニケーション能力について考えることをねらいとしています。
これらの授業を通じて自分の理想的な言語聴覚士像をもち、「こうなりたい」と学生が思うことが大切と考えています。折に触れ、私自身が抱く言語聴覚士の理想像や憧れを話し、学生自身にも意識して考えてもらうようにしています。

photo:大西 環

最初の授業で伝えること

患者さんの立場に立って、「想像する力」が大切です。

photo:大西 環

失語症の方の「気持ちを想像する大切さ」を伝えています。患者さんの立場に立って物事を考えることは臨床の基本です。それぞれの症状について、「その症状が出ている状態では患者さんはどんな状況であるか」「どんな心境であるか」「ご家族はどう感じておられているか」などについて想像をめぐらせ、配慮する。ことばが不自由な方であれば、なお一層必要な姿勢であり、どれほど経験を積んだとしても、いつでもその原点に立ち戻って理解していく必要があります。そういう想像力が求められる世界(職業)に足を踏み入れたということを意識して勉強してほしいと思っています。また、臨床では患者さんが示す反応や症状が何であるのかはっきりしないこともあります。学生は答えが見つからないことで不安になりますが、失語症は脳の働きと関係が深く、その全てが解明されているわけではありません。白黒はっきりしないのであれば、何であるか考えられる可能性を全て挙げ、自分なりの根拠をもって「グレーのまま考えてみてよい。」と伝えるようにしています。初めから一つに断定してしまうことは危険性があります。いくつかの仮説を基に評価や訓練を進め、その過程で明らかにしていくというのも一つの方法です。そういう方法があることを知り、丁寧に症状をみて考える経験を積み重ねながら患者さんが回復する可能性を探していってほしいと思います。

学生のみなさんへ

言語聴覚士は、患者さんに寄り添って可能性や希望を見つけていける存在です。

photo:大西 環

経験年数の少ない言語聴覚士では、「障害を治す」という視点に偏ってしまう傾向が出やすいですが、(例え障害が残っていても)「その人らしい生活を送る」という視点を忘れないでほしいと思います。患者さんや現場から求められるのは、その視点がある言語聴覚士ではないかと思います。1年生の前期には、十数名の言語聴覚障害をおもちの方にご来校いただき、学生との「対話会」を開いていますが、対話を通してそういったことも実感してほしいと思っています。この対話会を含め、1年生8月の臨床実習Ⅰ(見学実習)など、1年生の早い時期から実際の患者さんと接する機会をつくっているのが当専攻科の特長です。学生にとって患者さんと関わって得る「気づき」ほど勉強になるものはありません。また、2年生では一人の患者さんにご協力いただいて、評

photo:大西 環

価から訓練までの一連の流れをグループ単位で考える授業もあります。「患者さんは今どのような状況なのか」「以前はどのような生活だったのか」「どのような検査を使って、どう評価するのか」「評価にもとづいて訓練プログラムをどう組み立てるか」といった内容について、ディスカッションし、レポートにまとめ、フィードバックを受けて実施していきます。そこでも大切になってくるのが、患者さんをよく知り、「その方にとってQOLを高めるとはどういう状態なのか、どういう生活なのか」を考えることです。
臨床で出会う患者さんは、突然の病気に襲われ、予期せぬ事態に大きな不安を感じ、落胆し、自分に価値を見いだせなくなったと感じているかもしれません。言語聴覚士は、まさにその場に居合わせる存在です。学生には、卒業後「そんな時こそ、患者さんに寄り添っていける存在」「少しでも一緒に可能性や希望を見つけていける存在」であってほしいと思います。
2年間の養成教育の中で学生に知ってほしいこと、感じてほしいことはたくさんあります。当専攻科のカリキュラムは、これまで数回変更してきました。それは、卒業後、言語聴覚士として患者さんやご家族にしっかり対応していくための知識や技術を学びやすくするための変更です。また、それらを身につけるため、いろいろな意図と仕組みをもってカリキュラムを作ってきました。授業内容や取り組みの前には学生がいて、その先には患者さんやご家族がいます。私たち教員はそれを意識して教育活動を行っていますが、学生もそれをよく感じており、言語聴覚士としての資質や能力を自ら伸ばそうと努力し、がんばっています。

photo:大西 環

「言語聴覚士になる」という目標に向かって、一生懸命がんばっている学生の皆さん、担当の患者さんがどうすればよい状態になるかをひたすら考えている卒業生のみなさん、一生懸命なその熱意が、言語聴覚士としての力を伸ばしてくれるはずです。そして、その気持ちは、真っ先に患者さんやご家族に伝わっていくでしょう。今、もっている力を出して目標に向かって進んでいく。患者さんも、学生さんも、教員もみなその過程の中にいるのかもしれませんね。患者さんの人生の幸せを願うことと同じように、学生のみなさんそれぞれの未来を応援しています。 大西 環

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