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【OHSUの講師紹介】Introducing Teachers

言語聴覚士 / 文学士 / 専任教員【齋藤 典昭】Noriaki Saito

[学位]
文学士
[専門分野]
子どものコミュニケーション障害/子どもの発達と療育
[研究内容]
初期言語発達/子どもの療育技術/言語聴覚士養成教育
[所属学会]
日本言語聴覚士協会/言語発達障害研究会/日本行動分析学会/日本赤ちゃん学会/大阪府言語聴覚士会
[授業担当科目]
言語発達学/言語聴覚障害診断学Ⅰ/
言語発達障害Ⅰ,Ⅱ,Ⅳ,Ⅶ
[著書]
南江堂「人間発達学テキスト」8章「言語機能」共著

[これまでの活動]

  • 1977~1980乙訓ポニーの学校 知的障害児母子通園施設
  • 1977~1979東大阪市教育研究所 発達診断部,教育相談部
  • 1979~1980東大阪市こばと幼児園 知的障害児通園施設
  • 1980~2006東大阪市療育センター 知的障害児および肢体不自由児母子通園施設,相談室,診療所
  • 2006~2009大阪リハビリテーション専門学校言語聴覚学科
  • 2009~大阪保健医療大学言語聴覚専攻科
  • 2008~2010特別支援学校に外部専門家(ST)として協力

私の教えていること

子どもがことばを獲得する過程や、言語発達検査の方法を教えています。

子どもがことばを獲得する過程や、その発達の過程を教えています。これは子どものことばの障害を発見し、理解し、援助するための基礎知識になります。そして、「言語発達障害(援助法基礎)」についての講義では、人とかかわり援助する上での基礎知識や、身振り、手振り、顔の表情といった「言語以外でのコミュニケーション」について、また「防衛機制」といって不快な感情や、気持ち、体験を弱めたり避けたりすることで心を安定した状態に保つ心理的な作用についても教えています。「言語発達障害(概論)」で担当しているのは、知的障害と脳性麻痺がどのような症状であるか、生活する上でどのような難しさがあるかについてです。
他にも「言語発達障害(援助法各論)」では検査についての授業も担当しています。様々な検査方法がありますが、私が専門的に扱っているのは、「国リハ式<S-S法>言語発達遅滞検査」と呼ばれているものです。この検査では人形などの実物や、ハメ板、絵カードなどを使いながら言語未獲得段階〜小学校就学前後までの子どもの言語発達の段階を評価することができます。たとえばことばを獲得する前の子どもさんでも、人形と事物の扱い方などから評価することができます。「言語発達障害(援助法臨床)」では、実際に障害をともなった子どもさんたちに協力していただき、一緒に遊びながら子どもの様子を観察し、評価することを学んでいきます。

photo:齋藤 典昭

最初の授業で伝えること

学ぶことで「何が身に付くのか」を常にイメージしてほしい。

photo:齋藤 典昭

まず、学ぶことで「何が身につくのか」を伝えています。それは、ただ知識を覚えるだけでなく、「何のために学ぶのか」「どういう姿を目標にするのか」といったことを自覚して、成長につなげてもらいたいからです。たとえば「言語発達学」であれば。この科目を学ぶことで子どもの年齢を聞けば、言語発達はどういう状態なのかを説明できるようになります。公園や街角で子どもとお母さんを見たときには、様子を観察して「あ、文章が読めるくらいに成長しているな」とか「お母さんが言い方を工夫してあげれば、子どもはもっと上手く答えられるのになあ」と、わかるようになります。
またこれは授業全般に言えることですが。「失敗しないしくみ」で教え、学生が「成功体験」を重ねることを大切にしたいと考えています。ハンバーガーの作り方を思い出してください。パンに野菜、チーズ、ハンバーグ等をはさんで完成しますが、まずは一番上のパンをのせるだけでOK。2回目はチーズとパンをのせるだけでOK、というように1つひとつの段階に「成功」を確認します。すると、どうなるでしょうか。最後には自力できちんとハンバーガーを作れるようになりますね。そのような「着実な成長」をモットーに教えています。

学生のみなさんへ

現場に出るまでに、即戦力となる「実力の貯金」をつくります。

photo:齋藤 典昭

言語聴覚士の現場における一番の課題は、「人が足りていない」ということです。高齢化社会になり、援助を必要としている方は増え続けていますが、地域や病院に常駐する言語聴覚士の数は追いついていません。したがって、配属されても時間をかけて研修できる体制が十分にない場合が多いのが言語聴覚士の現状なのです。そうなると、現場にでても、日々の仕事に追われているだけで、自分のやっていることが正しいことなのかどうかを振り返るゆとりがもてないまま、月日が経っていってしまいます。そうした状況は、卒業生を送り出す私としては、やはり望むことではありません。
ですから、本校では言語聴覚士法で定められた言語聴覚士の基準単位数を上回るカリキュラムをあえて整え、現場に出たときの負

photo:齋藤 典昭

担を減らし、即戦力で活躍できる人を育てています。たとえば、臨床実習の回数もかなりの場数を踏み、大学にいる間に様々な現場での「成功体験」をできるだけたくさん積めるようにサポートしています。臨床の現場は、時代ややニーズ、地域に合わせて、日々変わり続けています。もし、単に資格取得するだけの勉強でいいのであれば、試験の過去問題だけをやり続けていれば、合格できるだけの知識は得られるでしょう。
ですが、現場経験が少なくて困るのは誰でしょうか?学生でしょうか?
いえ、本当に困るのは患者さんです。それを忘れてはいけません。
極端な話、もしも将来言語聴覚士の資格が更新制になったとしても、それにパスするために必要な、常日頃から学ぶ姿勢を、この2年の間に貯える。経験とそれを振り返り自らを向上させていく。それが、今の言語聴覚士の現場で一番求められていると思います。

また、私たちの中でも、患者さんに「寄り添う」ということばをよく使います。しかし、なかには必要以上に寄り添ってほしくないという人もいるでしょう。私はこう考えます。患者さんにとって「一番適切な距離感を保つこと」が、寄り添うことだと。その上で、一緒に喜んで、泣いて、憤りを感じることができる言語聴覚士をこれからも育てていきたいと思います。

photo:齋藤 典昭

子どもさんであっても大人のひとであっても、患者様にはそれぞれに、かけがいの無いこれまでの人生、歴史があります。そのひとの「物語」といっても良いかもしれません。臨床の仕事はその物語に心をふるわせ、患者様が新たな物語を紡ぎ出すお手伝いすることです。でも実は同時にあなた自身も患者様との関わりから新しい自分の物語を紡ぎ出しているのです。ですから、いつも新たな気持ちで真剣に場に臨むよう努力しなければいけないと思うのです。齋藤 典昭

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