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ST TEACHERS INTERVIEW

「セラピストの
自分を演じること」は、
寄り添うための技術です。

専門領域

聴覚障害/補聴器・人工内耳

山口 忍

YAMAGUCHI SHINOBU

私の教えていること

「聞こえ」に障害を抱える方との、コミュニケーションを教えています。 01

聴覚障害とコミュニケーション・リハビリテーション学の領域を担当しています。
赤ちゃんから高齢者まで「聞こえ」に障害を抱える方々の、世代や暮らし方、障害の程度は様々ですが、その1人ひとりの対象者に合わせてどのように援助していけばよいのかを教えています。
特に「人工内耳」という埋め込み型の補聴器の術後のリハビリテーションや、生まれ持った障害のある方が機能を獲得するための「ハビリテーション」を実施しています。個人的な取り組みとしては対象者の地域に出向き、聴覚障害および人工内耳を埋め込んで暮らしている方への適切なかかわりや配慮についての啓蒙活動を行うことをライフワークとしていますので、そこで私が経験したことも学生のみなさんの成長につながるようにお伝えてしています。
人間という生き物がどういうものであるか—。
私の臨床経験や人生経験、および、脳科学や心理学の知見をあわせて語り伝える「座学」と「臨床実習」を行っていきます。

最初の授業で伝えること

「セラピストの自分を演じること」は、寄り添うための技術です。 02

言語聴覚士は様々な状況・状態・性格の方と接する「人を相手にした仕事」です。いわば「コミュニケーションのプロ」として接する仕事です。とはいえ、10年以上の経験を積んだとしても日々、悩み、考え、工夫しながら接していくもの。上手く接することができないからといって「自分を変えなくちゃいけない」と思い詰めるのは、とても苦しいものです。
そのため、自分を変えるのではなく「セラピストの自分を演じながら作っていく」ことが大切だと伝えています。ありのままの自分は全くそのままで良いのです。そのかわり、仕事をする自分の表情、しぐさ、立ち位置、声の出し方に至るまで、適切なものに演じて作り上げていく必要があります。専門知識や技術の前に、「対象者に向き合う姿勢」が、まずは大事なのです。
私自身も日常生活のなかで新しい人と会って話をすることは、あまり得意ではありません。しかし、仕事においては「演じる」という訓練をしてきたことで、楽になれました。これは嘘をつくとか、ごまかすということとは違います。言語聴覚士として対象者に寄り添うための技術なのです。

学生のみなさんへ

「知識」と「経験」を基に、障害を持つ方と一緒に歩める力を養います。 03

臨床を見据えた取り組みが多い点がカリキュラムの特徴です。「失語症をお持ちの方とフリートークする会」は、今多くの養成校で取り入れられていますが、関西では本校がその草分けでした。また、実際に言語障害・聴覚障害を持つ子どもに遊びをコミュニケーションの手段とした療法を行い、それに即して解説授業や考察を行わせる取り組みも、既に13年以上の取り組みになります。それらの臨床講義を通じて「なぜ、今、その検査を選択して行うか」、「それをどう評価し訓練を考案するか」などを、学ぶことが出来ます。
インターネット社会となり、情報があふれかえり医療関係者でなくても情報を集めることができる今、知見と、豊富な臨床経験に裏打ちされた「エビデンス(根拠)」が求められています。

障害をお持ちの方、および、ご家族の方は、言語聴覚士が行う検査の選択や実施と評価、訓練の立案、成果の予測に、エビデンスとそれを分かりやすく伝える能力を求めています。せっかく獲得した知識も伝わらなければ意味がありません。説明する技能を磨くことが不可欠です。
また先ほど、「ありのままの自分は変えなくてもいい」とお伝えしましたが、学生を「学生」ではなく「固有名詞で存在するひとりの人」として誠実に接する姿勢が、本学の教員にはあります。私たちが漠然とイメージする理想の言語聴覚士の枠のなかに収めるための教育ではない、と思っています。学生それぞれの個性には、意味があり、また持ち味があります。大切なのは、共通のエビデンスの基に、対象者と一緒に前を向いて歩いていけるかどうか。歩き方を対象者に合わせられるかどうかです。
障害を持つ苦しさは、孤独の苦しさ、仲間はずれになるつらさだということを理解して、対象者1人ひとりの想いを大事にする言語聴覚士になってほしいと願っています。

FROM ST TEACHER MESSAGE

山口 忍先生

届けたい想い

いつもやっていることだけど、でも難しい「コミュニケーションをとる」ということ。
セラピストとして、そして一人の人として、
協力し合いこころを通い合わせて生きていくために、
どうコミュニケーションをとるのが良いのか、学んで欲しいと思っています。
この大学に、来てみませんか?

山口 忍