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言語聴覚士の現状

ここではSTが置かれている現状を、様々なキーワードやデータで紹介します。
わたしたち言語聴覚士が「なぜ」必要とされているのか。「今」を知るところから始めてみましょう。

医療や福祉の現状から見た言語聴覚士

高齢者福祉の時代に、
専門性が求められています。

1999年の第1回国家試験以降、言語聴覚士が活躍する場は急速に広がっています。これには、日本の人口構成や社会情勢、政策が深く関わっています。「少子高齢化」という言葉を耳にするようになって久しいですが、今の日本の高齢化率は28.4%、約3人に1人が高齢者という時代です。今後もこの割合は増える見込みです。高齢者が増え、言語聴覚療法や摂食嚥下療法の対象者が増えているという現状もありますが、社会のしくみも変化しています。高齢化社会にむけた政策として2000年に「介護保険」がスタートし、リハビリテーションは医療から福祉へと広がっています。発症後から一定期間は病院(医療保険)でリハビリテーションを行い、その後は自宅や施設(介護保険)でリハビリテーションを、という流れになってきました。そのため、医療と福祉の両方の現場で言語聴覚療法が求められています。

ますます拡大する
言語聴覚士の活躍

4人に1人が75歳以上の超高齢社会となる2025年に向けた政策として「地域包括ケアシステム」が推し進められています。「地域包括ケアシステム」とは、住み慣れた地域で住まい、医療、介護、予防、生活支援を一体的に提供する社会のしくみです。ここでも言語聴覚士の専門的な知識や経験に基づく助言等の活動が求められています。また、ほかにも政策に基づいた活動として、失語症者向け意思疎通支援者養成事業が進められています。地域で失語症のある方の支援者を養成し派遣事業が行われることは、失語症の方の社会参加を促進することに繋がります。言語聴覚障害の方々の暮らしやすさを求めて、行政機関とも連携しながら、言語聴覚士は活動を続けています。
病院や施設、家庭、地域からも求められる言語聴覚士ですが、その数は全国でまだ3万4千人(2019年時点)程度しかいません。小児の発達障害などの領域においても、医療や福祉、教育機関からのニーズは増えつつあり、社会の様々な場所で言語聴覚士が待ち望まれています。時代の流れに応じてますます求められる言語聴覚士。社会にとっても、患者様一人ひとりにとっても、その存在と役割はとても大きいのです。

データで見る言語聴覚士

下の図は拡大・縮小できます

言語聴覚士国家試験 合格者数累計

1999年に第1回言語聴覚士国家試験が行われ、4,003名の言語聴覚士が誕生しました。以降毎年1回国家試験が行われ、2020年3月には34,489名となりました。その数は時代の要請とともに年々増えています。

就業状況

一般社団法人日本言語聴覚士協会は、日本で唯一の言語聴覚士の職能団体です。2020年 3月の会員数は18,544名。協会のデータをもとに言語聴覚士の現状をみてみましょう。会員の約80%は常勤で言語聴覚士の仕事に就いています。非常勤勤務も含めると、約85%の会員が現役言語聴覚士であることがわかります。

年齢構成と男女比

男女比は約25%が男性、約75%が女性です。年齢層では30歳代が最も多く、全体の4割を超える数となっています。次いで多い20歳代と合わせると7割近くが20歳代~30歳代で、比較的若手が多い年齢構成となっています。国家資格となって22年。社会人経験を経て30歳代、40歳代から言語聴覚士となる方も多く、今後の成長に期待が高まります。また、就業状況のデータと合わせてみてみると、約80%の会員が常勤勤務をしていることから、多くの女性が常勤で言語聴覚士を続けていることがわかります。女性も働きやすく、ライフサイクルに合わせて働きやすい職業であると言えます。

勤務先

約75%が医療機関、約20%が老人保健施設・特別養護老人ホーム、福祉施設等で勤務しています。病院や福祉施設、教育機関等幅広い領域から言語聴覚士が求められていますが、社会の要請に応えるためにはまだまだ言語聴覚士は不足しています。

会員が対象としている障害(複数回答)

摂食嚥下障害が最も多く、次いで成人言語・認知(失語症やその他の高次脳機能障害など)、 発声・発語(構音障害、音声障害など)となっています。
最も多い摂食嚥下障害は、ここ 20年で原因の究明や治療法、予防法の研究が進み、そのニーズが急速に高まりました。
一人の患者様が複数の障害を合併していることも多く、言語聴覚士はその方がもつ障害全てに関わって評価や訓練を行います。小児から高齢者まで、さまざまな障害を対象に言語聴覚士が活躍しています。
出典:会員動向|日本言語聴覚士協会HP https://www.japanslht.or.jp/about/trend.html
出典:言語聴覚士とは|日本言語聴覚士協会HP https://www.japanslht.or.jp/what/